建設工業新聞にタイカダンパネル・スーパータイカダンが掲載されました

スタイロ加工株式会社の耐火断熱間仕切り「タイカダンパネル」「スーパータイカダン」が日刊建設工業新聞に掲載されました。

【記事抜粋】

倉庫を魅力的な職場空間に[ CRE ・ロジスクエア浦和美圃 ]

物流不動産管理・開発大手のシーアールイー(CRE、東京都港区、山下修平社長)がさいたま市緑区で建設中の「ロジスクエア浦和美園」の躯体・内装工事が、佳境を迎えている。CREグループの開発物件としては最大規模のマルチテナント型物流施設で、一般に倉庫に求められる床耐荷重など汎用性のある機能面だけでなく、作業環境の快適性を重視。テナントの雇用の確保・定着の面で優位性のあるハイスペック物流施設として計画している。

清潔感と高級感演出

問仕切りにカラー綱板耐火断熱パネル

従来、倉庫内部の問仕切り壁は価格の安さからALC(軽量気泡コンクリート)パネルや石こうボードが主流となっているが、表面からコンクリート粉、石こう粉が剥がれやすく、汚れ対策が不可欠という。

CREの柴田善弘開発事業本部CM企画部長は、「倉庫テナントでは現在、女性パートを中心とした作業者の確保、離職防止が大きな課題となっている。物流施設は暗い、汚いといったマイナスイメージを持っている方も多い。他社物件では外観や事務所内装のデザイン性を高めたり休憩室、カフェを設けたりするなどの工夫を施している事例が見受けられるが、当社はそれに加えて従業員が実際に働く倉庫内が魅力に満ちた空間になるよう、就業環境の改善をメインコンセプトとして施設づくりをしている」と開発方針を説明する。 ロジスクエア浦和美園の建設に当たり着目したのが、明正エ業(東京都新宿区、永上修一社長)とグループ会社のスタイロ加工(埼玉県加須市、同)の「タイカダン」だ。

人造鉱物繊維のロックウールを芯材に、表面をカラー鋼板で仕上げたハイグレードの耐火断熱間仕切り。表面がフラットなめ汚れにくく、長期にわたり美観を維持する。倉庫空間の高級感を演出し、作業環境を快適に保てるため、テナントや作業員の獲得に貢献する。パネルの接合部には、独自の「Wオスメス構造」を採用。パネル間が確実に嵌合されることで、高い剛性と耐火性、断熱性を発揮する。地震時には嵌合部が振動エネルギーを減衰するため、ALCなどと比較して耐震性も大幅に向上している。

ロジスクエア浦和美園では、施設内すべての防火区画に約1万2000平方メートルのタイカダンを採用。うち4分の1は、倉庫業法で定められた2500N/平方メートルの壁強度を持つ「スーパータイカダン」だ。耐火性に加え、冷蔵冷凍倉庫の間仕切り壁としての使用も可能なことから、テナントが冷凍冷蔵設備を導入する際のイニシャルコスト圧縮と空調負荷低減にも貢献する。

さらにパネル下部には、フォクリフトのフォーク(爪)の衝突による損傷を防ぐパネル接着型の防護柵「タイカダンガード」を設置した。ALCやボードの場合、荷役時にフォークが直接パネルに当たらないよう、コンクリート製の腰壁を設けるが、フォークの衝突時にコンクリートの粉じんが飛散する上、テナント交代などに伴うレイアウト変更も制限される。

一方、鋼板製のタイカダンガードは腰壁工事を不要にし、パネルヘの取り付け・交換も容易で、レイアウトフリーを実現する。パネル手前の床に固定するタイプも商品化している。

「ロジスクエア浦和美園の外壁は、シルバー色を基本とした金属製サンドイッチパネルで、閻仕切りを鋼板製のタイカダンとすることにより内・外装を同じ色味にでき、職場としての快適性、魅力も向上する。タイカダンは東日本大震災や熊本地震でも全く損傷がなかったと聞いており、お客さまのBCPに有効な機能的にも優れた倉庫を提供できる」と柴田部長は評価する。

ロジスクエア浦和美園の建設地は、さいたま市緑区大門上・下野田特定士地区画整理事業施行地区内の2万4095平方メートルの敷地。東北自動車道浦和インターチェンジから約700メートルの位置で、首都高速道路川口線などへのアクセスも容易だ。建物はRC一部S造4階建て延べ5万2314平方メートルの規模。有効高さは各階6メートルで、3階部分に大型車両が直接乗り入れ可能なスロープを設け、トラックバースを1階と3階に備える。

開発地の士地安全性については、士地再生推進協会の認証を取得。土地の安全認証を取得した施設開発としては国内第1号となる。環境配慮面でも、CASBEE埼玉県のAランク、国土交通省が推進するBELS 評価を取得する見込み。17年4月15日の竣工を予定している。

今月17日には橋本岳厚生労働副大臣が安全パトロールに訪れ、設計・施工を担当する錢高組の工事責任者が硯場での安全衛生管理への取り組みや作業内容を紹介。橋本副大臣は、施工支援ロボットを使ってパネルを取り付ける様子などを見守っていた。

CREは現在、埼玉県で4件、茨城県で1件、佐賀県で1件の物流不動産を開発中で、ロジスクエア浦和美園以外にも埼玉県の2件でタイカダンの採用が決まっている。

 

2016年10月27日 日刊建設工業新聞